今回は、100年以上にわたって宇都宮の人々に親しまれてきたおでん屋「のんき」の歴史や人々の記憶に焦点を当ててご紹介します。
「のんき」は、市の中心部、釜川に架かる御橋(みはし)のすぐ西側。
気取らず親しみやすい店構えで、暖簾をくぐると店主の笑顔とおでんの湯気が仕事帰りの勤め人を暖かく迎えてくれる、まさに市民の憩いの場だったのですが、店主がご高齢になられたことから、惜しまれつつも2018年に店を閉められたと伺っています。
店をよく知る地元商店会の会長は、「初めて暖簾をくぐったのは半世紀も前のこと」「いつも満席で賑わってた。あのおでんの味が懐かしい」と目を細めます。
また、県庁に勤める常連の一人は、「木のカウンターで食べた『八つ頭』は格別でした。新たな交流の場として再生されるのが待ち遠しい」と嬉しそうに語ってくれました。
きっとこれを読んでくださっている皆さんの中にも、「のんき」の味と記憶を心に留めている方が少なくないことでしょう。
かつての「のんき」が市民の憩いの場であったように、新しい「のんき」も、地域の方々や来訪者、市内外のクリエーターとともに、飲食、物販、イベント、レジデンススペースなどを備えた居心地のよい空間を目指しています。
みなさまに【人と表現が集まるところ のんき】についてより知っていただくため、本シリーズでお届けしています。次回もどうぞお楽しみに◎(③に続く